office MIGI - Kenji Hayashi updated 2017-04-05

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鼓動が高鳴る。

僕はレリーズを口にくわえたまま、張り裂けそうな空気の中に身を潜めた。
僅か数分後には、彼はリングという聖域にむかう。

いつものお調子者の彼は消えていた。
もう、逃げることはできない。
極限まで追いつめられた彼は、静に祈り始めた。

僕も覚悟を決めた。
僕の身体の痛みなど、もうどうでもいいことだ。

シャッターを切った。

それは鋭い電流のなって、空気切り裂いた。

しかし、もう彼は動じない。

圧倒的に美しいと思った。
ほんの少しの羨ましさとともに。